「準備5割・片付け4割・作業1割」
入念な下準備ができてこそ、おいしさが生まれるんです。

オーデンハムファクトリーのソーセージ作り工程は大きく分けて8つ。
「整形」→「ミンチ」→「カッティング」→「充てん」→「ひねり」→「ドライ」→「スモーク」→「ボイル」のたくさんの工程をへてでき上がります。
ハム・ソーセージ作りは、「準備5割・片付け4割・作業1割」と言われるほど入念な下準備を必要とします。
当店は手作りなのでたくさんは作れませんが、『多くの人にオーデンのこだわりハム・ソーセージを食べて欲しい』という思いで毎日一生懸命作っています。

 

1.整形整形は意外と骨の折れる作業

オーデンでは素材の豚肉は大きなブロック(かたまり)で仕入れます。
当店では豚肉を1頭買いしていますが、1頭から取れる肉は約60kg。仕入れる時には30kgずつのかたまりです。
そのブロックを7~8cmの小さなかたまりにしていきます。単に切っていくだけでなく、すじや余分な脂を取り除きながらの神経を使う作業です。

2.ミンチソーセージに合わせて、粗挽きから絹引きまで

整形した豚肉を、ミンサー(ミンチにする機械)に少しずつ入れミンチ肉を作ります。この際、粗挽きから絹挽きまで、ソーセージの種類によって挽き方を変えていきます。

3.カッティング豚肉と氷と香辛料の比率が全てを決める!

豚肉と氷、塩、香辛料を鋭い刃の付いた『カッター』と呼ばれる機械でどろどろの状態になるまで混ぜ合わせます。このどろどろの状態を『エマルジョン』といいます。
エマルジョンとは『乳化』の意味で、本来混ざらない豚肉の脂分と氷(水分)を混ぜ合わせることです。
女性なら『エマルジョン』といえば思い出す『化粧品』。あのエマルジョンも同じ『乳化』という意味なんですよ。
当店のハム・ソーセージには添加物の乳化剤を使っていませんので、この工程で徹底的に乳化させます。
また、なぜ氷を使うかというと、豚肉の脂が気温で溶けるのを防ぐためです。夏場はさらに室温を下げ、脂分の溶解を防ぎます。ただ冬場は暖房が入れられないため、非常に厳しい環境での作業となります。
このエマルジョン状態の豚肉が、全てのハム・ソーセージのベースになります。
例えば当店のソーセージでは、荒挽き肉を足せば「ハンブルグ風フランクフルト」、赤唐辛子をプラスすると「辛口チョリソー」になります。

4.充填当店のソーセージは天然羊腸のみ使用

カッティングでエマルジョン状態になった豚肉を『スタッファー』という機械で腸詰めにしていきます。
当店で使用するのはすべて天然羊腸(羊の腸)。
天然羊腸の魅力は「パリッ」と弾ける弾力ある歯ごたえと、適度なやわらかさにあります。また、コラーゲンも豊富なんですよ。
天然物のため、腸によって長さが違います。また合成の腸と違うところは、ソーセージになった時に形に自然な「そり」が出ることです。合成のものはまっすぐしています。

5.ひねりこれぞ醍醐味!腸詰め「ひねり」工程

腸詰め状態のソーセージを手でひねり、みなさんが見覚えのあるソーセージの形に仕上げていきます。
この「ひねり」工程、見ていると簡単そうですが、やってみるとすごく難しいんです。
長さを均等に、中の詰め物も均等に。詰め物が張りすぎてもダメ、少なすぎてもダメ。
ひねるというよりも、「しばる」と言った方がふさわしいかも知れません。
ひねりが終わると、今度は中に入った気泡(空気)をスティックで丁寧に一つ一つつぶしていきます。
気泡が入ったままスモークすると、気泡が膨張し、表面の羊腸が割れてしまいます。それを防ぐためのひと手間です。

6.ドライ地味だけど重要な「ドライ」工程

さて、ひねりまで終わると、次はスモーク・・・と思われるでしょうが、ソーセージ作りの中で非常に重要な工程がもう一つあります。
それは「ドライ」工程。なぜ重要かというと、ソーセージの表面が濡れたままスモークにかけると、濡れたところには煙が乗らず、まだら模様のソーセージが出来上がってしまうんです。
それを防ぐためにまず室内で『風乾』、そしてスモーカー(スモークマシン)で2段階の乾燥をさせます。
またこのドライ工程、何度で何分乾燥すればいいというものではなく、季節や気温、湿度によっても違うので、まさに職人の勘がものを言うデリケートなものなのです。

7.スモーク意外と低い?適温「58℃」

いよいよ「スモーク」です。
オーデンでは燻煙にヒッコリーチップを使用しています。ヒッコリーは欧米でよく使われるチップで、香りが良く肉料理によく合うのが特徴です。
さて、乾燥を終えたソーセージの下にチップを入れ火を付けます。
あくまで「スモーク」なので、火が勢いよく燃え上がらないように随時火の調整をします。
当店のソーセージのスモーク温度は約58℃。温度が高いベーコンでも75℃程度です。意外と低いと思われるかもしれませんが、この工程では表面を燻すのが目的です。
スモークは約15~20分で完成です。

8.ボイル

中身までスモークで火を通すと、肉がギュッと固くなってしまいます。中身に火を通すのは「ボイル」(茹で)工程で行います。

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